《奥尻地区》cafe faro店主/禿 あゆみさん

インタビュー第四弾は、奥尻島唯一のcafeであるcafe faroの店主、禿 あゆみさんです!


①Uターンにて、奥尻でcafeを開業したきっかけは?


元々奥尻に戻ってきて生活をする事は、高校卒業の時点で決めていました。
島を離れて暮らす中で、より一層この地への想いが強くなりましたが、当時働いていたカフェやベーカリーでの仕事が好きで、向こうで働いていた環境をそのまま奥尻へ持って来たい、と思いました。
その時に「田舎だからといってカフェが受け入れられない訳ではないはず」という自信もありました。
実際に帰って来てからはもちろん簡単に開業とはいかず、島で開業することは一度諦めようと思いました。

そのタイミングで、子育てをきっかけに趣味で取り組んでいたお菓子づくりを通じて町から奥尻産の食材を使ったお菓子づくりの考案を依頼されました。
そこから様々なご縁があり、2017年に「新規事業者補助制度」のお話をいただき、家族や友人など沢山の方の協力のもと2018年6月23日の開業に至りました。

②cafe faro経営で大切にしていることは?


①「誠実に行動」すること②「理想」(やりたいこと、提供したいものなど)と「現実」(目の前の課題、必要とされているものなど)をできる限りすり合わせていくこと③変動に対応できる柔軟さを持ちつつ、ビジョンを出来るだけ明確にしていくこと
を大切にしています。

③cafeオーナーの目線から、奥尻島の魅力とは?


奥尻島に生まれ育って、この地を離れる頃には「将来この島で暮らしていくんだ」ということを自然に思うようになっていたことがこの島の魅力だと思っています。
奥尻島は、この地ならではの四季の匂いや景色、音の移り変わりを五感で感じられます。
どうしてここには何も無いのだろうと不便に思っていた事もありましたが、一度島を離れたことで本当に自分に必要なものは風の強さで日々変わる波の音や、毎日でも目に焼き付けたくなる夕陽、全て奥尻島にあるものだと気が付きました。
「この場所」や「この食べ物」など特定したものの魅力というよりも、感覚的なところで無意識のうちに惹かれるような島なのではないかと、私は思います。

⑤奥尻島における移住者の増加にはどんなことが大切か?


私は今、奥尻島での暮らしを楽しんでいます。
「どうしたら観光客を増やせるか」、「何をすればUターン者が増えるか」、「移住者を増やすには」…度々この内容を聞かれることがあるので、その度に考えます。考えますが、まずは島に暮らしている住民にとって住み易い場所であることが必要ではないかと思います。
観光客、移住者が増えるから活気を戻せるというより、島民の暮らしが充実したものであれば自ずとそうなっていくように思います(私が感じたように自然と将来戻りたくなるような場所であること)。

移住(Iターン)された方の行動はとてもエネルギーがあり、決して自分(Uターン)には真似できない力強さや覚悟が見えます。それと同時に、自分たちが昔から守ってきたもの、見てきた景色を取られてしまうような、嫉妬にも似た気持ちになることもありました。人口を増やしたいのに、取られたくない。矛盾していますね。
しかしそれは島民、移住者、どちら側であっても、奥尻島への想いがあってこそだと思います。

自分にできることは、移住者の方に歩み寄ること、自分とは異なる環境で育ち、異なる視点、考えを持つ人を理解する努力をすることです。
そして、島へ移住して新たな事業をやってみたいという方の為に、自分が開業するにあたって行動した具体的な取り組みで良かった点、悪かった点など教えられるものがあれば協力したいと思います。

奥尻島移住者インタビュー『住もう奥尻』

奥尻島移住者(Iターン、Uターン、Jターン等)へ、島の魅力や暮らしについてインタビューしています。

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